「今は払える。でも、修繕積立金が値上がりしたら、毎月の支払いはどうなる?」
気になる中古マンションが見つかり、住宅ローンの返済に管理費・修繕積立金を加えて、毎月の支払いを計算してみた。
この金額なら、旅行や趣味を楽しみながら、貯蓄も続けられそう。購入に向けて、少しずつ気持ちが固まってきますよね。
でも、
今の修繕積立金が、購入後もずっと同じ金額なのかは、気になりませんか。
- 「修繕積立金って、どうして値上がりするの?」
- 「上がるとしたら、いつから・いくらになる?」
- 「今の金額が払えても、5年後、10年後はどうなる?」
毎月の負担が増えれば、趣味に使うお金や貯蓄に回せる金額も変わってきます。
「この支払いなら購入できそう」と思った今、修繕積立金が将来どう変わるのかも知っておきたいですよね。
そこで、
この記事では、マンションの修繕積立金は値上がりするのか、上がるとしたらなぜなのか、購入前に知っておきたいことを一緒に整理していきましょう。
🎯 マンションの修繕積立金は値上がりする?

修繕積立金は、購入後に上がる可能性があります。当初から段階的な増額が計画されている場合や、物価上昇による工事費の増加などで金額を見直す場合があり、いつから・いくら上がるかは、マンションごとの計画や管理組合の決議によって異なります。
🔧 マンションの修繕積立金はなぜ値上がりするの?
同じ値上げでも、どちらなのかによって、今の金額の見方が変わります。
📈 当初から段階的に増額する計画になっている
修繕積立金は、最初から値上げを予定して設定されている場合があります。
積み立て方には、主に次の2つがあります。
| 積立方式 | 積み立て方 | 購入前に知っておきたいこと |
|---|---|---|
| 段階増額積立方式 | 当初の金額を抑え、その後、段階的に増額する | 今後の増額を含めて修繕費用を賄う計画 |
| 均等積立方式 | 計画期間に必要な額を、原則として均等に積み立てる | 工事費などが変われば、増額が必要になる場合がある |
段階的に値上げする計画でも、いざ増額するときに所有者の賛成が集まらず、予定していたお金を積み立てられない場合もあります。
国土交通省も、将来の修繕費用を計画的に積み立てるため、毎月の金額を原則一定にする「均等積立方式」を勧めています。
「今の月額なら払える」と思ったら、その金額が今後の増額を前提としていないかも見ておきたいですね。
出典:国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」
🔨 物価上昇などで、予定より修繕費用が高くなる
修繕の計画を立てたあとに、予定していた金額では工事費を賄えなくなる場合があります。
次のような場合が考えられます。
- 資材価格や人件費が上がり、同じ工事でも費用が増えた
- 建物の傷みを調べた結果、修繕する範囲が広がった
- 給排水管やエレベーターなどの更新費用が、想定より高くなった
今の金額を積み立て続けても修繕費用が不足すると分かれば、修繕積立金の増額が検討されます。
国土交通省のガイドラインでは、長期修繕計画を5年程度ごとに見直すことを前提としています。これは、5年ごとに必ず値上げするという意味ではありません。
均等積立方式でも、今の金額がずっと続くとは限りません。購入前には、計画がいつ見直され、どの時点の工事費で計算されているかも知っておきたいですね。
出典:国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン・ガイドラインコメント」(2024年6月改訂)
📅 マンションの修繕積立金はいつから・いくら上がる?
📊 5年後・10年後の金額は、マンションごとの計画で異なる
段階増額積立方式では、長期修繕計画に沿って、将来の修繕積立金を引き上げる予定が組まれています。
例えば、
現在の修繕積立金が月額2万円で、5年後に2万6,000円、10年後に3万2,000円になる計画だとしましょう。
| 時期 | 修繕積立金の月額 | 現在との差額 |
|---|---|---|
| 現在 | 2万円 | ― |
| 5年後 | 2万6,000円 | 月6,000円増 |
| 10年後 | 3万2,000円 | 月1万2,000円増 |
※金額や値上げの時期は、マンションによって異なります。
この例では、10年後には年間14万4,000円も支払いが増える計算です。
今は無理なく払えていても、これだけ増えると、旅行や趣味、貯蓄に使えるお金も変わってきますよね。
「5年後だから上がる」と考えるのではなく、検討している住戸では「いつから・いくらになる計画か」を見ておきましょう。
📝 値上げの「計画」と「決定」は違う
長期修繕計画に将来の金額が載っていても、その金額をいつから徴収するかまで決まっているとは限りません。
「値上げ予定」と聞いたら、次のどの段階なのかを確かめましょう。
| 段階 | どこまで決まっている? |
|---|---|
| 決議済み | 増額後の金額と開始時期まで決まっている |
| 計画のみ | 将来額は載っているが、徴収額・開始時期までは決まっていない |
| 検討中 | 値上げについて話し合っているが、金額や時期は未定 |
過去の総会で、段階ごとの金額と開始時期まで決めている場合もあります。管理規約と総会の議案書・議事録を照らし合わせると、どこまで決まっているかを確認できます。
購入後の支払いを考えるなら、「値上げ予定があるか」に加えて、「金額と開始時期まで決まっているか」も知っておきたいですね。 決議済みであっても、その後の計画見直しなどによって、さらに変更される可能性はあります。
🔎 マンションの修繕積立金の値上げ予定は、購入前に分かる?
📄 長期修繕計画で、今後の増額予定を見る
販売資料に載っている修繕積立金は、基本的に現在の金額です。将来の予定は、長期修繕計画で確認しましょう。
確認したいのは、次の4点です。
- 増額予定: いつから・いくらに上がる計画か
- 一時金: 月々の積立てとは別に、まとまった負担が予定されているか
- 借入れ: 修繕費用を管理組合の借入れで賄う計画か
- 作成・見直し時期: いつの計画なのか
計画書の金額は、マンション全体の年間徴収額や、専有面積1㎡当たりの月額で示されている場合もあります。
購入する住戸の修繕積立金が、いつから・いくらになる計画なのか。 読み取りにくいときは、不動産屋に確認してもらいましょう。
📝 議事録や調査報告書で、決まっている内容を確かめる
増額後の金額や開始時期まで決まっているかは、総会の議事録などで確認します。 積立金の状況や変更のルールも、これらの資料で確かめてみましょう。
| 資料 | 確認すること |
|---|---|
| 総会の議案書・議事録 | 増額案が可決されたか、金額と開始時期はどう決まったか |
| 重要事項調査報告書 | 現在の修繕積立金、改定予定、一時金、滞納・借入れなど |
| 収支決算書・貸借対照表など | 修繕積立金の残高、未収金、管理組合の借入金 |
| 管理規約・関連する別表など | 修繕積立金の負担割合、金額の定め方、変更の手続き |
確認するときは、次の2点に注意しましょう。
- 報告書に記載がない = 値上げ予定なし、とは限らない
- 記載項目は管理会社などによって異なるため、不明な点は不動産屋に追加で確認してもらいます。
- 積立金の残高が多い = 修繕費用が足りる、とは限らない
- 今後の工事に、いつ・いくら使う計画なのかと合わせて見ていきます。
💬 資料は不動産屋を通じて、契約を決める前に依頼する
購入を相談している不動産屋に、増額予定を資料で確認したいと伝えてみましょう。
この住戸の修繕積立金は、今後いつから・いくらになる予定ですか?
その増額はもう決まっていますか? 一時金の予定も含めて、資料を見せてもらえますか?
売主が持っている資料を見せてもらい、分からない点は不動産屋から管理会社などに確認してもらいましょう。
購入検討者が、管理組合の資料をすべて直接入手できるとは限りません。必要な資料は、契約するか決める前に依頼しておきたいですね。
回答が得られていない項目は、「予定なし」とせず、未確認として残しておきましょう。 契約までに総会が開かれた場合は、新たに増額が決まっていないかも確認してもらいます。
⚖️ 修繕積立金が値上がりするマンションは、買わない方がいい?
🏢 今の金額が安いマンションと、増額済みのマンションを比べる
たとえば、
価格・広さ・管理費が同じで、修繕積立金が次のように違う2つの住戸を検討しているとしましょう。
| 修繕積立金 | マンションA | マンションB |
|---|---|---|
| 現在 | 月2万円 | 月3万円 |
| 増額の状況 | 5年後に月3万円へ増額予定 | 既に月3万円へ増額済み |
| 5年後の予定額 | 月3万円 | 月3万円 |
Bの月3万円も、必要な修繕費用を見直し、既に引き上げた金額かもしれません。現在の金額に差がある理由も知りたいですね。
比較したいのは、次の3点です。
- なぜ、その金額に設定されているのか
- 今後の修繕費用を賄える計画か
- 増額後の支払いも、自分の予算に収まるか
なお、どちらも計画の見直しによって、さらに増額する可能性はあります。
購入を検討している2つのマンションで、今の修繕積立金が違っていても、今後の増額によって同じ金額になる可能性も考えられます。
💭 増額後も、趣味や貯蓄を続けられるか
増額後の修繕積立金でも、希望する暮らしを続けられそうか。住宅ローンや管理費と合わせて、毎月の支払いを計算してみましょう。
- 旅行・趣味: 予算を減らす必要はあるか。減らすとしても納得できるか
- 貯蓄・投資: 予定している金額を続けられるか
- 一時金: 徴収予定があるなら、その時期までに用意できるか
必要な修繕のための値上げでも、支払いが厳しくなるなら、購入予算を考え直したいところです。
「払えるか」に加えて、「払ったあとも、自分の楽しみや将来への備えを残せるか」を考えてみてください。
📚 次に知っておきたいこと
💰「そもそも、この管理費と修繕積立金は高いのかな?」
値上げ後の金額を考えると、検討しているマンションの管理費や修繕積立金が、他の物件と比較して高いのかも気になりますよね。
- 「管理費と修繕積立金を合わせて、毎月いくらが目安?」
- 「管理費が高いのは、共用施設やサービスが充実しているから?」
毎月の費用を比べるなら、金額と一緒に、その費用で何を賄っているのかも知っておきたいところです。管理費・修繕積立金の目安や維持費の考え方は、こちらの記事をご覧ください。

🏢「値上げするのは分かったけれど、必要な修繕はきちんと行われている?」
修繕積立金の増額予定を確認すると、これまで建物をどう維持してきたのかも気になりませんか。
- 「外壁や給排水管などは、いつ修繕している?」
- 「内見で気になった共用部の傷みは、そのままになっていない?」
これからの積立計画に加えて、過去の修繕や不具合への対応も確かめたいですよね。共用部の様子と管理資料から、管理状態をどう見極めるかは、こちらの記事をご覧ください。

🏠「将来の支払いまで考えると、どんなマンションを選べばいい?」
増額後の支払いを計算してみると、購入価格や希望条件を少し考え直したくなるかもしれません。
- 「予算に収めるために、広さや立地はどこまで譲れる?」
- 「購入後の暮らしや将来の売却も考えて、何を優先しよう?」
修繕積立金も含めて予算を考えると、希望する条件をすべて満たすのは難しいかもしれません。そんなとき、何を優先して住まいを選ぶか、購入前に考えておきたいことはこちらの記事をご覧ください。

🌈 さいごに
修繕積立金がいつから・いくら上がる予定なのか。
購入前に知っておけば、その部屋を購入するかどうかも、考え方が変わるかもしれません。
「今の金額なら払える」だけで決めず、値上がりしたあとも、趣味や旅行、貯蓄を続けられそうか。
気に入った部屋で暮らしながら、好きなことも楽しめる。購入後の支払いをじっくりと考えるのは、そんな理想の暮らしを実現するためですよね。

