「一番高い査定額を出してくれた会社なら、一番高く売ってくれる?」
自宅マンションの売却を考えて、3社へ査定をお願いしたとします。
- A社:8,500万円
- B社:8,800万円
- C社:9,200万円
これだけを見ると、C社にお願いしたくなりませんか?
「9,200万円で売れるなら、C社がいい。」
ただ、
ここで確認したいのは、なぜC社は9,200万円と査定したのかということです。
査定額は、「この金額で売れます」という価格ではありません。
同じマンションの成約事例をどう見ているのか、今売り出されている住戸とどう比較されているのか。階数や方角、眺望など、自分の住戸をどう評価するのか。
こうした見方が違えば、同じマンションでも査定額は変わります。
そこで、
この記事では、マンションの査定額がどうやって決まるのかを見ながら、「いくらと査定されたか」ではなく「なぜその査定額になったのか」をどう確認すればいいのか、一緒に考えていきましょう。
🎯 マンション売却の査定とは?

マンションの査定額は、「いくらで売れるか」の答えではなく、自分のマンションが今の市場でどう見られているのかを知るための材料です。「いくらと査定されたか」だけで判断せず、「なぜその査定額になったのか」を確認して、これからの売却を考えてみてください。
🔎 マンションの査定額はどうやって決まる?
マンションを査定するときは、まず同じマンションや周辺エリアで、条件の近い住戸が実際にいくらで売れたのか、過去の成約事例を見ていきます。
中古マンションの査定では、条件の近い取引事例と比較して価格を考える「取引事例比較法」が使われています。
ただし、過去に売れた住戸と、これから売却する自分の住戸がまったく同じ条件とは限りません。
同じマンションでも、
- 何階の住戸なのか
- 方角や眺望にどのような違いがあるのか
- 専有面積や間取りは近いのか
- 角部屋なのか、中住戸なのか
- 室内の状態はどうなのか
によって、住戸ごとの条件は変わります。
さらに、
過去の成約事例と比較するだけではなく、現在、同じマンションや周辺でどのような住戸が、いくらで売り出されているのかも確認します。
マンションの査定額を考えるときに、確認したいポイントを大きく分けると、次の3つです。
| 査定で見るもの | 確認すること |
|---|---|
| 過去の成約事例 | 条件の近い住戸が、実際にいくらで売れたのか |
| 現在の売出状況 | 同じマンションや周辺に、どのような競合住戸があるのか |
| 自分の住戸の条件 | 成約事例や売出中の住戸と比べて、階数・方角・眺望・広さ・間取り・住戸位置などにどのような違いがあるのか |
つまり、
査定額を見るときに確認したいのは、「どの成約事例と比較して、自分の住戸をどう評価したのか」ということです。
参考にする成約事例や現在の売出状況、自分の住戸との条件差をどう見るかによって、同じマンションでも査定額に差が出ます。
📊 3社の査定額が違ったら、どこを見ればいい?
マンションの査定を3社へお願いして、
- A社:8,500万円
- B社:8,800万円
- C社:9,200万円
という査定額が出たとします。
一番高いのはC社ですが、査定額の高さだけでは、どの査定が自分のマンションを適切に評価しているのかは分かりません。
たとえば、
C社が9,200万円と査定したなら、「なぜ9,200万円なのですか?」と聞いてみてください。
- どの成約事例を参考にしたのか
- 現在の売出状況をどう見ているのか
- 階数や方角、眺望など、自分の住戸をどう評価したのか
こうした理由が分かれば、9,200万円という査定額をどう考えればいいのかも見えてきます。
これはA社やB社でも同じです。
査定額を比較するときは、「どの会社が一番高いか」ではなく、「なぜその査定額になったのか」をそれぞれ確認してみてくださいね。
🏠 机上査定と訪問査定は何が違う?
マンションの査定には、大きく分けて「机上査定」と「訪問査定」があります。
違いを簡単にまとめると、次のようになります。
| 机上査定 | 訪問査定 | |
|---|---|---|
| 査定方法 | 成約事例や物件情報などから査定 | 実際に住戸を確認して査定 |
| 室内の確認 | しない | する |
| こんなとき | まず価格の目安を知りたい | 住戸の状態も含めて査定してほしい |
まだ、
売却を決めていなくて、まず自宅マンションがどのくらいの価格なのか知りたいなら、机上査定から始めることも可能です。
机上査定では、成約事例や物件情報などをもとに査定するため、実際の室内や住戸からの眺望などは確認できません。
訪問査定では、不動産屋さんの担当者が実際に住戸を見て、次のようなところを確認します。
- 室内の状態
- 窓からの眺望
- 日当たり
- 前面の建物との位置関係
湾岸エリアのタワーマンションなら、同じマンションの同じ階数帯でも、窓の先に何が見えるのか、前面の建物とどのくらい離れているのかによって、住戸から受ける印象は違います。まず価格の目安を知りたい段階なら机上査定から始めて、売却を具体的に考え始めたら、訪問査定で実際の住戸を見てもらうと分かりやすいと思います。
💰 査定額・売出価格・成約価格は何が違う?
マンションを売却するときには、「査定額」「売出価格」「成約価格」という3つの価格が出てきます。
名前は似ていますが、それぞれ意味が違います。
査定額
↓
不動産会社の査定をもとに、実際に売り出す価格を考える
↓
売出価格
↓
購入希望者が現れ、売主と買主で条件を調整する
↓
成約価格
それぞれの違いを見てみましょう。
| 価格 | どんな金額? |
|---|---|
| 査定額 | 成約事例や現在の売出状況、住戸の条件などをもとに、不動産会社が算出した価格 |
| 売出価格 | マンションを売却するときに、実際に市場へ出す価格 |
| 成約価格 | 売主と買主が条件に合意し、実際に売買が成立した価格 |
C社から9,200万円という査定額が出たとしても、
9,200万円で査定された
=9,200万円で売り出す
=9,200万円で売れる
という意味ではありません。
査定額は、この3つの価格の中では売却を考える最初の段階で出てくる価格です。まずは、「なぜ9,200万円なのか」を知る。実際にいくらで売り出すのかは、その先で考えていきます。
📄 査定書をもらったら、どこを見ればいい?
査定書を受け取ると、最初に目に入るのは「8,500万円」「9,200万円」といった査定額ではないでしょうか。
ですが、
査定書で確認したいのは、その金額がどのような比較から出てきたのかということです。
査定書を見るときは、次の部分を確認してみてください。
| 見るところ | 確認したいこと |
|---|---|
| 査定額 | いくらと査定されているのか |
| 成約事例 | どの住戸を比較対象にしているのか |
| 現在の売出状況 | 同じマンションや周辺の競合をどう見ているのか |
| 住戸の評価 | 階数・方角・眺望・広さなどをどう評価しているのか |
| 査定額の根拠 | 最終的に、なぜその金額になったのか |
たとえば9,200万円という査定額なら、
- 「どの成約事例を基準にしていますか?」
- 「その住戸と比べて、私の部屋はどう評価されていますか?」
この2つを聞くだけでも、9,200万円という査定額の根拠はかなり見えてきます。
査定書を見るときは、査定額だけを見るのではなく、「なぜこの金額になったのか」まで確認してみてください。査定額とその根拠、この2つをセットで見るのがポイントです。
📚 次に知っておきたいこと
🔎 「査定のあと、売却について何を知っておけばいい?」
査定額とその根拠が分かって、実際に売却を考え始めると、
- 売却にはどんな費用がかかる?
- 売却までどのくらい時間がかかる?
- 売却を進める前に何を確認しておく?
といったことも気になってきます。
査定を受けたあと、実際にマンションを売却するときに何を知っておけばいいのか。もう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
🔑 「売らずに、貸すという選択肢もある?」
査定額を見て売却を考えていても、
「このマンション、手放さずに貸すのはどうなんだろう?」
と迷っている方もいらっしゃると思います。
売却するのか、賃貸に出して所有し続けるのかでは、その後のお金や暮らし、将来の選択肢も変わります。
自分の場合は売る方がいいのか、それとも貸す方がいいのか。迷っている方は、こちらの記事をご覧ください。

🏠 「査定額は分かった。でも、本当に売る?」
査定を受けて、売却について調べてみた。
それでも最後に、
「私は、このマンションを今売った方がいいのかな?」
というところで迷う方もいるのではないでしょうか。
今売るのか、貸すのか、もう少し住み続けるのか。マンション売却を考え始めた段階では、まだ答えを決めていなくても構いません。
これから自分がどうしたいのか、選択肢から考えてみたい方は、こちらの記事をご覧ください。

🌈 さいごに
自宅マンションの売却を考え始めても、
「まだ売ると決めたわけではないし、査定をお願いするのは早いかな。」
と思っている方もいらっしゃると思います。
でも、
査定をお願いしたからといって、すぐに売却を決める必要はありません。
今の自宅マンションがどのように評価されるのかを知ることで、売るのか、貸すのか、もう少し住み続けるのかを考えるきっかけにもなります。
まだ答えが決まっていないなら、まずは自分のマンションを知るところから始めてみてください。
そこから、これからどうしたいのかを考えていけばいいと私は思っています。

