「査定額は8,800万円。でも、不動産屋から『9,200万円で売り出してみましょう』と言われた。これって、高すぎない?」
マンションの査定を受けて、お願いする不動産屋も決まった。
いよいよ売り出そうという段階になると、次に決めるのが「いくらで売り出すか」という点です。
せっかくマンションを売るなら、できるだけ高く売りたい。
だからといって、高い価格で売り出せば、その価格で売れるとは限りません。
反対に、
早く売ることを考えて最初から価格を抑えた結果、「もう少し高くてもよかったのでは」と思うのも避けたいですよね。
では、
8,800万円と査定されたマンションを9,200万円で売り出すという提案を受けたとき、何を見てその価格を判断すればいいのでしょうか。
そこで、
この記事では、査定額が出たあと、実際にマンションをいくらで売り出すのか。成約価格や現在の競合住戸、自分の住戸の条件、売却したい時期を見ながら、最初の売出価格をどう考えればいいのか、一緒に見ていきましょう。
🎯 マンションの売出価格はどう決める?

マンションの売出価格を決めるときは、査定額より高いか安いかだけで判断せず、同じマンションの成約価格や現在の競合住戸と比べて、その価格で市場に出したときに自分の住戸がどう見えるのかを考えます。階数や方角、眺望など自分の住戸の条件と「いつまでに売りたいか」も見ながら、最初にいくらで売り出すのかを決めてみてはいかがでしょうか。
🔎 売出価格を決めるとき、何を見ればいい?
査定額8,800万円のマンションを、9,200万円で売り出すとします。
このとき、
「査定額より400万円高いから、9,200万円は高すぎる」と考えるだけでは、売出価格が高いのか安いのかは判断できません。
売出価格を考えるときは、まず次の3つを見てみましょう。
- 同じマンションでは、実際にいくらで売れているのか
- 現在、いくらの住戸が売り出されているのか
- それらの住戸と、自分の住戸では何が違うのか
たとえば、次のような状況だったとします。
| 比較する住戸 | 価格 | 主な条件 | 自分の住戸と比べると |
|---|---|---|---|
| 成約事例A | 8,700万円 | 中層階・同程度の広さ | 階数に違いがある |
| 成約事例B | 8,900万円 | 高層階・同じ方角 | 条件が近く比較しやすい |
| 競合住戸C | 9,000万円 | 中高層階・同程度の広さ | 現在購入できる住戸 |
| 自分の住戸 | 9,200万円 | 高層階・眺望に魅力 | この価格で売り出す |
※価格・条件は説明のための例です。
🏢 まず、過去に「いくらで売れたのか」を見る
成約事例A・Bを見ると、同じマンションで8,700万円、8,900万円の成約があります。
ここで、9,200万円との差だけを見る必要はありません。
見るのは、
「成約した住戸と、自分の住戸では何が違うのか」という点です。
8,900万円で成約した住戸と比べて、眺望に魅力があるなら、その違いも含めて9,200万円という売出価格を考えていきます。
🏙️ 今「いくらで売られているのか」を見る
過去の成約価格とあわせて見ておきたいのが、同じマンションで現在売り出されている競合住戸です。
今回の例では、
- 競合住戸C:9,000万円
- 自分の住戸:9,200万円
- 価格差:200万円
購入を検討している人から見れば、この2つは同じマンションの中で比較できる選択肢になります。

ここで、購入する人の立場から考えてみましょう。
9,000万円の住戸と9,200万円の自分の住戸が並んでいたら、200万円高くても自分の住戸を選んでもらえるでしょうか。この200万円の価格差をどう見るかが、9,200万円という売出価格を考えるポイントと言えます。
🪟 価格差に「住戸の違い」を重ねて考える
では、9,000万円の競合住戸と、9,200万円の自分の住戸。
この200万円の価格差には、どんな違いがあるのでしょうか。
たとえば、
- 階数|中高層階 → 高層階
- 眺望|一般的な眺望 → 眺望に魅力
- 方角|どちらが暮らしに合うか
- 広さ・間取り|使いやすさに違いはあるか
- 室内の状態|そのまま住めるか、リフォームが必要か
と並べてみると、価格だけでは見えなかった違いが分かります。
もちろん、
高層階だから200万円高くしていい、と単純に決められるものではありません。
「査定額に400万円を上乗せする」のではなく、9,000万円の競合住戸と比べて、階数や眺望などの違いを含めても9,200万円から売り出すのか。そこまで比較したうえで、最初の価格を考えてみましょう。
💰 査定額より高く売り出してもいい?
ここまで読んで、
「そもそも、査定額より高い価格で売り出してもいいの?」と思った方もいるのではないでしょうか。
査定額が8,800万円だからといって、売出価格も8,800万円に合わせる必要はありません。
今回の例なら、
成約価格や競合住戸、自分の住戸の条件を比較したうえで、9,200万円から売り出すという考え方もあります。
気をつけたいのは、
「査定額より何%高いところまでなら大丈夫」と、一律に考えないことです。
マンションによって売出価格を考える材料は違うため、
- 過去の成約価格から離れすぎていないか
- 現在の競合住戸と並んだときに、どう見えるか
- その価格で売り出す理由を、住戸の条件から考えられるか
を見ながら、最初の価格を考えていきます。
つまり、
査定額より高く売り出してもいいのかではなく、その価格で市場に出したときに自分の住戸がどう見えるのか。そして、「いつまでに売りたいのか」。この2つを見ながら、最初の売出価格を考えてみてください。
📅 「いつまでに売りたいか」で売出価格の考え方は変わる
同じ査定額8,800万円のマンションでも、
- 売却する時期を急いでいない
- 住み替えなどで、売却したい時期が決まっている
という場合では、9,200万円という売出価格の考え方も変わってきます。
| 売却時期を急いでいない | 売却したい時期が決まっている | |
|---|---|---|
| 売却の予定 | 時間に余裕がある | 住み替えなどで時期が決まっている |
| 売出価格の考え方 | 希望する価格から始める余地を考える | 売却したい時期も含めて価格を考える |
| 9,200万円で売り出すなら | 市場でどう見えるかを確認して始める | 売却予定とのバランスを考えて決める |
🕐 売却する時期を急いでいない場合
売却する時期を急いでいないなら、9,200万円から売り出してみたいと思う方もいるでしょう。
今回の例では、現在9,000万円で売り出されている競合住戸があります。
9,200万円で市場に出したとき、購入する人にはどのように見えるのでしょうか。
たとえば、
- 競合住戸より200万円高くても比較してもらえそうか
- 高層階や眺望など、自分の住戸に魅力があるか
- 9,200万円から売り出す理由を、自分でも理解できているか
このあたりを見て、9,200万円から始めるのかを考えていきます。
時間に余裕があるから高くするのではなく、競合住戸と比較してみても9,200万円から始められそうかを見て、最初の価格を決めてみてくださいね。
📆 売却したい時期が決まっている場合
たとえば、住み替えを予定していて、
「できれば9,200万円で売りたい。でも、新しいマンションの引き渡しまでには売却を終えたい。」という場合もあります。
新しいマンションへの住み替えを予定しているなら、
- いつまでに売却したいのか
- 売却したお金を、住み替えに使う予定があるのか
- 9,200万円から始めた場合、売却までにどれくらい時間を使えるのか
といったことも、最初の価格を決めるときに見ておきたいところです。
だからといって、
売却したい時期が決まっているから、最初から価格を下げるという話ではありません。
住み替えなどで売却したい時期が決まっているなら、「9,200万円で売りたい」と思っていても、その価格でいつまで待つのかまで考えてみましょう。
📈 最初は高めに売り出して、あとで下げればいい?
今回の例なら、査定額8,800万円のマンションを9,200万円から売り出すことになります。
このとき、
- 競合住戸は9,000万円で売り出されている
- 自分の住戸は9,200万円で市場に出る
- 購入する人には、200万円高い住戸として比較される
という状況から販売が始まります。
売主が「売れなかったらあとで下げよう」と考えていても、購入する人が最初に見るのは9,200万円という価格です。
売り出したあとに価格を見直すことはできます。
最初から値下げを前提に9,200万円と決めるのではなく、9,000万円の競合住戸と並んだときに、200万円高くても購入者の選択肢に入るのか。そこまで見て、最初の価格を決めてみてください。
📚 次に知っておきたいこと
💰 「そもそも、この査定額はどうやって決まったの?」
売出価格を決める前に、
「そもそも、8,800万円という査定額はどうやって決まったんだろう?」
と、気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
- 「不動産屋は何を見て査定しているの?」
- 「同じマンションでも査定額が違うのはなぜ?」
成約事例や現在の売出状況、階数・方角・眺望など、不動産屋がどこを見て査定しているのかを知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

🏢 「この売出価格を提案した不動産屋に任せていい?」
売出価格は決まっても、実際に販売を任せる不動産屋によって、住戸の見方や売り方の提案は変わります。
査定額の高さではなく、「どう評価し、どう売るのか」を何で比べればいいのか。
不動産屋を選ぶときに、何を見ればいいのか迷っている方は、こちらの記事をご覧ください。

🏠 「まだ、売ると決めたわけではないんだけど……」
売出価格について調べていても、
「そもそも今、本当に売るべきなのかな。」と迷っている方もいるでしょう。
マンションを売る以外にも、貸す、そのまま所有するといった選択肢があります。
まだ売却すると決めていない段階で、これからどうするか考えたい方は、こちらの記事をご覧ください。

🌈 さいごに
マンションを売るなら、できるだけ高く売りたい。
そう思うのは当然のことですよね。
査定額より高い売出価格を提案されたら、「この価格で売れたら」と期待する気持ちもあると思います。
もちろん、
「できるだけ高く売りたい」という気持ちを、最初から諦める必要はありません。
自分のマンションが今の市場でどう見えているのかを知り、「この価格から売りたい」と自分で決められたなら、自信を持ってその価格から販売を始めてみてください。

